
声優にはオーディションはつきものです。
声優事務所に入る時に必要なのはもちろん、アニメのキャラクターのオーディションなど、プロになってからもオーディションは日常茶飯事です。
今回は、事務所に所属するためのオーディションの対策を中心に話していこうと思います。
と、その前に一つ言っておきたい事があります。
声優業について少し知っている方や調べている方ならわかると思いますが、
『アピールポイント』について悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
よく「オーディションは自分をアピールしなくてはいけない」なんて言われませんか?
言い方を変えるとそれは『セールスポイント』なのです。
今回は、オーディション対策と共に自分のセールスポイントの探し方をお伝えできればと思います。
事務所オーディション対策
オーディションの内容は、各プロダクションにもよりますが、基本は三つが多いです。
・セリフ
・自己PR
・歌
特に上二つは、必ずと言っていいほど必要で、プロになってからも必要とされる項目です。
歌に関しては、最近は特に重要になってきて、歌を歌えたりダンスができれば、それこそ今のアイドル声優に使いやすかったりします。
ただ歌に関しては、歌の上手さはあまり問われない所が多い印象で、あくまでも演技が中心ですので、上手さはアピールにはなるが、必須ではありません。
ミュージックレインやソニーミュージックなどの歌手アーティストに力を入れている事務所は、歌が上手い方がもちろん注目されます。
自分がどんな事務所に入るかで、求められる項目が変わってきますので、そこは各々で調べる必要があります。
セリフ
まずセリフに関しては、いろんなパターンがあります。
自宅録音でボイスサンプルを撮って送ったり、オーディション会場に行きセリフをもらい(事前にもらう場合もある)、その場で読んだりと。
代表的なセリフ原稿としては、
年齢・性格・セリフ
の三つが書かれています。
すでに養成所などに通っている方達はご存知でしょうが、セリフ原稿を自分で作って発表したりする場合もあります。
この際、セリフの読解力はもちろん、年齢・性格がしっかり表現できているかを見られます。
そして特に重要なのが【相手にセリフがかかっているか】です。
芝居の基礎として、相手にしっかりセリフがかかっていないと、それは独り言になります。
演技では、基本相手がいる前提でお芝居しますので、ここは確実に大事にすべきポイントになります。
セリフをどんな相手に言っているかを想像し、それを言葉によってリアルに作り出すのです。
これってかなり難しいんですよ…。
難しいのに、これができないとお話になりません。
最悪、年齢や性格がそこまで表現できていなくてもいいので、相手にセリフをかけることだけは意識してください。
それが慣れてから初めてキャラクターに色を付けていけるのだという事です。
自己PR
この記事の本題はここからです。
さて、一言に「自己PR」と言っても何をしていいのかさっぱりわかりません。
「さあ、フリートークお願いします」と言われているようなものです。
まず自己PRとは何かですが、
【その価値を知ってもらい、信頼や協力を強めていくこと】
です。
会社にとって有益な存在になれることと、その会社の未来に必要な人材かどうか
というところをアピールしていくのです。
プロダクションやアニメ業界は、高いお金を支払って貴方という一個人の投資をするのですから、言い換えれば金になるかどうかです。
もちろんプロダクションの方も人間ですので、人を金で見ている方は少ないと思いますが、でも声優業界、アニメ業界もビジネスです。
自分が事務所にどう貢献できるかを考えると、周りの方達と違うアピールになってくると思います。
若さは有利
難しい話をたくさんしましたが、あくまでこれは一例です。
例えば多くの声優さんは10代の内に、あるいは20代前半でデビューしたりしています。
それはなぜか。
【業界にとってはメリットになる可能性が高いから】です。
先ほどお話ししました個人の価値という点において、若さというのはとてつもない大きな価値になります。
若さについた記事を出しているので参考までにどうぞ。
ですので、そこまで自己PRを完璧にしなくても受かったりします。
存在がすでに有益になる可能性があるから。
しかし若い方が全員受かるかと言いますとそんなことはありません。
【将来性】です。
将来性をアピールするのはとても難しいので、もし今この記事を読んでいる方で10代〜20代前半の方が居れば、まずはお芝居を必死にやってください。
そして下手でもいいのでたくさんアピールしましょう。
25歳以上の方は、残念ながら若さという武器が使えなくなってくるので、若さに変わるアピールポイントを考えなくてはなりません。
得意な役のアピールは弱い
これは実際に肌で感じた私の感想ですが、
例えば「私はさわやかさでは誰にも負けません」とアピールします。
それで本当にめちゃくちゃさわやかだったらアピールにはなりますが、世の中に声優志望の方は腐るほどいます。その中で本当に一番ですか?
もちろん自信があるならどんどんアピールしたほうがいいですが、審査員は貴方よりもさわやかな方を知っています。
現役声優にも貴方より上手い方はいます。
役や性格といった大きい括りではなかなかいいアピールにはなりません。
特に25歳、30歳を超えると、その手のトップはもうとっくにプロになって場数を踏んでいます。
そして多くの声優志望の方は、同じようなことを言います。
ここだけの話、貴方がアニメ業界に必要とされるポイントとは…
【貴方の雰囲気】です。
貴方の個性をふんだんに演技に落とし込みましょう。
貴方の考える演技プランを、自信を持って発表しましょう。
審査員は、貴方のことが知りたいのです。
もちろん演技の上手さは必要ではありますが、その上で貴方の演技が見たいのです。
貴方という人間は世界で1人しかいませんので、個性はすでに持っています。
貴方の人生をぶつけてください。
以上です。
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